松月のRhymes&Reasons

アメリカン・フォーク・ソングの言葉と想い そして源流をたずねる旅

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「アメリカの歌」 by ポール・サイモン

今日は7年前の9月のことを思い出してみましょう。
みなさんはあの時、どこで何をしていらっしゃいましたか?

あの時わたしは高校1年生で、あの日の夜もテレビで台風情報を気にしながら厳しい地理のレポートに取り組んでいました。と、次の瞬間、突然画面が切り替わり、高いビルに飛行機が突っ込んでいく映像が飛び込んできたのでした。9.11(アメリカ同時多発テロ事件)の勃発。こんな衝撃的な映像をリアルタイムで見たのは初めてのことだったので、今でも9月11日が近づくとあの光景が鮮やかに蘇ってしまうのです。

現場では多くの人々が“O my God!”と騒いでいました。この事件を受けて彼らは混乱して、打ちのめされてしまったのですね・・・。でも、国を愛しているからこそ報復をしようという動きの中で、報復しても何もいいことはないと訴える人々もいたのです。そんな彼らの心の支えとなったのはやはり「歌」でした

そんな時、松月は高校のお昼の放送でサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」(Bridge Over Troubled Water)という歌を聴き、いたく感動してしまったのです・・・が、その話はまた今度詳しく、ということにいたしまして(笑)、

今日はそれ以上に松月の心に響いた歌をご紹介します。「アメリカの歌」(American Tune)という、ポール・サイモンの70年代のソロ作品です。これもあの年の暮れにラジオで聴いて覚えたのですが、今でも松月にとって忘れられない一番の思い入れのある歌なのです

この曲は非常に美しい旋律をもっていますが、なんとあのJ.S.バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750)の「マタイ受難曲」(Matthaeuspassion)に何度も登場するコラール(Choral:合唱)の旋律が元になっているのです(特に「血潮したたる」(O Haupt voll Blut und Wunden)と呼ばれる部分が有名)。興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね(わたしも大学時代に熱心に聴きました)

でも、何よりもすばらしいのはポールの詩です。約30年の時を超えて、「夢を失い、混乱した時代を生きているけれど、冷静になって、もう一度原点に帰ろうぜ!」と言っているように思えたのです。考えてみれば、ポールもニューヨーク市民。9.11をどのように受けとめたのでしょう・・・?

http://jp.youtube.com/watch?v=l_sl4r0eGVY


わたしはポールのソロのほうが思い出深いのですが、「セントラルパーク・コンサート」でのサイモン&ガーファンクルの歌も素敵ですよね。アート・ガーファンクルもこの歌がとても気に入っていて、今でもよくコンサートで歌っているようですね

http://www.youtube.com/watch?v=zTZkk66pd1I


☆関連リンク☆
レモンツリー : Because all men are brothers 人々はみな兄弟だから
「マタイ受難曲」のコラールの旋律って、さまざまに歌い継がれているのですね♪
Saya's Greatest Oldies : "American Tune"-Simon & Garfunkel
sayaさんもこの記事を読んで9.11の思い出を書いてくださいました(^^♪
☆松月のRhymes&Reasons☆

>Many's the time I've been mistaken
>And many times confused

夢を持っていても、普通の人間である以上、なかなか思い通りにはならず
過ちをおかしたり、混乱したりしてしまいますよね。

>Still, you don't expect to be bright and bon vivant
>So far away from home

bon vivantはフランス語で「楽しく生きる」という意味です。
homeはかつての夢にあふれたアメリカのことでしょうか。

>For we've lived so well so long
>Still, when I think of the road we're traveling on
>I wonder what's gone wrong

打ちのめされても、長いこと立派に生きてきたけれど、、、
これから進む道に不安を感じ、行き詰まってしまうのです。

>And I dreamed I was flying
>And high up above my eyes could clearly see
>The Statue of Liberty sailing away to sea

そして、魂は空へと飛び立ちます。
見下ろせば自由の女神が海へと旅立っていきます。
自由の女神はアメリカを見捨ててしまったのでしょうか・・・?

>We come in the ages most uncertain hour
>And sing an American tune

不安な時代の中で、アメリカの歌を歌う・・・。
人々がWTCの跡地に集まって歌を歌う姿が浮かびます。
みんなもう一度希望を持とうよ、と。(聴いていて涙が止まりません。)

>Still, tomorrow's going to be another working day
>And I'm trying to get some rest

明日の世界をよく生きるために、
少し休んで、心も穏やかにしたいものですね。 ↑読んでいただけたら評価をお願いします。↓コメントいただけるとさらに喜びます☆

テーマ:'70年から'80年の洋楽 - ジャンル:音楽

*** COMMENT ***

NoTitle

この事件にどういう背景があるのか私の知るところではありませんが、2001年9月11日世界貿易センタービル・ツインタワー崩落の衝撃的な映像はまだ記憶に鮮明に残っています。

「アメリカの歌」素敵な曲ですね。
PPMにもこのバッハのマタイ受難曲のコラールを元に作られた「Because all men are brothers」という曲があります。
このコラールはアメリカ人にとってもなじみの深い曲なんですね。

NoTitle

70年代ソロになってからのポールサイモン、日本では
S&Gの人気からすると評価物足りない気がします。
超リアルタイムだったせいもあるのですがファースト~
サードはエヴァーグリーンの傑作、名盤と思います。
この曲もセカンド「ひとり言」からのナンバー、同時期
ぐらいのLIVEでの弾きかたりも良いですね。
911は衝撃でしたが、あれ以来世界変な方向に行っ
てる気がします。

「アメリカの歌」

レモン鈴木さん、

やはりあの時の映像は誰にとっても衝撃的に感じられたのですね・・・。

わからないことは今なおたくさんありますが、、、
厳しかった地理の授業と、9.11の衝撃と、S&Gとの出会い。
この3つがきっかけで、松月は世界に目を向けるようになったのです。

関連情報ありがとうございます。探して聴いてみたところ、
まさに「マタイ受難曲」のコラールで、大感激ですよ~v-363
さっそくこちらでご紹介させていただきますねv-238

oyaji910さん、

そうなんですよねー。ポール・サイモンも南こうせつも
ソロ作品の評価が低いような気がするんですよ・・・。

ミュージシャンたちは常に聴く人々と一緒に生きていて、
いつの時代も「今の自分」を精一杯表現しています。
ぜひとも多くの方々に感じていただきたいと思いますねv-410

70年代以降のポールの歌には、S&G時代とは違った魅力があります。
でも、この歌には何となくS&Gっぽさを感じます・・・。
美しく物悲しい旋律に、アートの声がマッチンぐぅ~v-218みたいな(笑)

アメリカが原点に帰れるよう、大統領選挙と今後の政治に期待しましょうv-352

Many's the time

長いことこの歌を歌っていますが、この英語の使い方が理解できません。意味は「何度も」だと思うのですが、歌のためにこのような表現方法をとっているのかと思ったら、どこかで聞いたような記憶もあります。
 以前カナダ人が、この歌はベトナム戦争を背景に書かれたと言っていましたが、戦中、戦後を背景にポールがその気持ちを書き表したのでしょうね。
 Still you don't expected to bright and bonvivant.、I wonder what's gone wrong.、I just want to get some rest.
 何か、痛いほどよくわかりますね。当初は歌いながら涙があふれてしかたがありませんでした。がんばっても、がんばっても、うまくいかない。しかもその原因が自分にはない。
 ああ、ここに幸あれ!です。

=There are many times when ~

Georgeさん、

この歌も長いこと歌っていらしたのですね!
わたしは7年前、NHKの「ラジオ英会話」でこの歌を知ったのですが、先生(もちろんアメリカで暮らしていた)がMany's the time ~ はThere are many times when ~ 、つまり「~した時が何度もある」という意味で使われるとおっしゃっていました。文語的な印象を受けましたが、普通に使われているようですねv-339

>以前カナダ人が、この歌はベトナム戦争を背景に書かれたと言っていましたが、

おー、とても興味深いですね!
わたしは、この歌はニクソン大統領のウォーターゲート事件を背景に書かれたと聞いたことがありますが、1973年はベトナム戦争が続いていたし、非常に混乱していたと思われますね・・・。

今も「最も不安な時代」だと感じます。だから今聴いても心にしみるんですよねv-408

NoTitle

ミススペルだらけで失礼しました。
 Many's the timeは倒置してあるとしても、なぜtime であり、timesにならないのか、またその場合はareにならないのか、など、まだまだ疑問は残りますね。
 「明日に架ける橋」を「百万人の英語」で扱ったとき、講師の先生が「いかにもユダヤ人らしい考え方ですね」とおっしゃっていたのを覚えていますが、それから考えると、ポール・サイモンには救済の精神があるのかもしれませんね。「アメリカの歌」にもそれを強く感じます。

意味深い詩ですね♪

Georgeさん、
興味深いご意見をありがとうございますv-411

>なぜtime であり、timesにならないのか、またその場合はareにならないのか、

そういえば高校の英文法で“many a+単数名詞”という表現を教わった覚えがあります。意味は“many+複数名詞”と同じなのですが、あえて単数にすることで響きを強め、意味も強めているのかなぁ、と思っています。

>いかにもユダヤ人らしい考え方・・・ポール・サイモンには救済の精神があるのかもしれませんね。

そうですよね・・・さらに、ポール自身がゴスペルなどの音楽から大きな慰めを得ていたことからも考えられますよね。「アメリカの歌」はもうひとつの「明日に架ける橋」だと思っています。詩から受ける印象は正反対のように感じられますが、コンセプトはよく似ていると思いますv-415v-341

しつこで すみません

松月さんのリンクに誘われてここに漂着しました
AMERICAN TUNEはソロヒット第一作となった曲と記憶しています
私自身も数少ないレパートリーの1曲で思い入れの深い歌です
この画像も初めて拝見させていただきました
そのころの私の印象では サイモンの演奏はGUILD D35というギターで
カーターファミリーピッキング主体の演奏と勝手に思っていました
画像を拝見する限りではメーカー不明のガットギター演奏で 奏法はオリジナルと最後の部分を除いて同じですが私の知っているサイモンの演奏と違ってすごく新鮮な演奏に感じました
アンプラグドな演奏が後のMTVのクラプトンの演奏(Tiers In Heaven)と重なりました
松月さんは英語の先生!?かと伺っておりますが
ライブレポや過去資料を原文や原語で読まれておられるようなので大変勉強になっています
なにせこの曲はアメリカが衰退期にむかっていく過程でのサイモンの嘆きが謡われていると
無茶な曲解をしておりましたので(当時高校生でその程度の英語力しかありませんでした:いまもありませんが・・・・)過去の誤解がどんどん解けていくことを嬉しく感じています
ほんとうによいブログにめぐりあえたことを感謝しています
                             サイモンフリークギターおたくおやじより

サイモン・フリークさま、大歓迎です!!

KAZUさん、

過去記事を見つけてくださってありがとうございました。この歌は今でも一番のお気に入りなので、お話ができることをとってもうれしく思いますv-344

ギルドの輝かしい音も好きですが、この素朴な音色もとても癒されますよね。ギターの音をじっくり聴くにはやっぱり弾き語りがいいですよね!

英語はわたしも普段は苦手なんですが、好きなことに対してはものすごい集中力を発揮できるんだから自分でもビックリですね。大学で第2外国語にドイツ語を選択したのも「マタイ受難曲」を原語で通して聴くためでしたからね(笑)

わたしは9.11の直後にこの歌を覚えたのでこんな解釈になりましたが、人それぞれの想いがあると思います。みなさんのご意見を聞けるのが何よりの楽しみで続けております。今後ともよろしくお願いしますv-485

まだおじゃましてます

仕事で長距離運転のお楽しみに セントラルパークコンサートのCDを引っ張りだしてみました
私は忘れてましたが、仰るとおりにガーファンクルが AMERICAN TUNE歌ってましたね
おかげで今日は3時間ばかりSGメドレーを大声で運転しながら歌ってしまいました
よく体操選手が引退してからも鉄棒で大車輪はできるが、そのあと大変な筋肉痛に襲われると聞いたことがあります 大車輪ほどの歌も歌えませんが明日はたぶん私も喉が嗄れていることでしょう
聞いてみてもうひとつ気づいたのが バックのミュージシャンです
80年代によく聞いていたスタッフ(STUFF)の音とキーボードの音がまったく同じなので
おなじミュージシャンかなと思って調べてみたらやっぱり同じでした(スティーブ・ガットやリチャード・ティー)コアなファンなら知っていて当たり前のことかもしれませんが、いまさらながら気がつきました
私は過去の記憶がまったくあてにならない年齢になってしまっているので
松月さんの新しい目で過去の音楽を評価されていることが非常に新鮮に感じています
これからも記憶違いのたわごとばかり書き込んでサイトが荒れてしまってはいけないので
そろそろ筆を置きます
PS:もしすでに翻訳されておられたら セントラルパークでSGがどんなMC(コンサートの曲間のトーク)をしているのか教えていただければ幸いです

サイモンフリークギターおたくおやじより

「セントラルパーク・コンサート」

KAZUさん、

再度のご来訪ありがとうございました。
「セントラルパーク・コンサート」は何度聴いても飽きないライブですよね。

このバージョンの「アメリカの歌」がものすごくいいです。アートのきれいな声がメロディにぴったり。3番の高音のハーモニーなんて感動的です。「スリップ・スライディン・アウェイ」もいいですね。ポールも言っていましたが、もしも解散していなかったらこの2曲は素晴らしいS&Gソングになっていたでしょうねv-341

そうです、キーボードはリチャード・ティーさん!
彼の笑顔がね、、、たまらなく好きなんですよ~v-344
スティーブ・ガッドさんのドラムもかっこいいですよねー。

このライブ、日本版のDVDも出ています。とってもおすすめですv-339

名曲ですよね。

この曲同様、「コンドルは飛んでいく」なんかもそうですが、ポール・サイモンは既存の曲に詞をあてて、曲に新たな命を吹き込むという才能を持ち合わせているようですね。
彼の詩には彼の哲学者のような一面が垣間見えるようです。でも哲学者のように冷たくはなく思慮深さ、と慈愛に満ちている。だからこそ彼の楽曲は、いつまでも愛されるのでしょう。

この記事からちょうど1年ですね♪

トクベー&キーボーさん、

素敵なコメントをいただき、ありがとうございます。
ポールの詩って、本当に人間味にあふれていますよね。
言葉がまっすぐに伝わってきて、聴いていて励まされるんですよ。
わたしもそんなところに惹かれているのかもv-398

NoTitle

私もこの歌は大好きなのですが、バッハのマタイ受難曲を
使った部分があるとは知りませんでした。
セントラルパークコンサートのやつ、いいですよねえ。
それぞれソロがあってコーラスが入るところがとてもいい感じだと思います。

S&Gの「アメリカ」のまさにその後の物語という要素もあるでしょうか。
よく「アメリカンドリーム」と言いますが、
ほんの一握りの成功者がもてはやされる一方、
思い通りにいかなかった人が多くいるわけで、
夢を見てNYへ出たけど、あまり成功したとは言えず、
薄暗い狭いところでの日々の生活に疲れ果てて、
でも明日にはまた元気に働かなくてはならない。
国際的には、強気で元気いっぱいのアメリカの、
その裏の迷いや戸惑いを描いている歌だと思います。

松月さんもさだまさしさんのことはよくご存知の様子ですが、
彼の「前夜(桃花鳥)」はご存知でしょうか。
これは「アメリカの歌」への返歌というのか、オマージュというのか、
それの日本版になっています。渾身作です。
もしまだご存じでなければ、ぜひ聞いてみてください。

I'm all right, I'm all right...

ししょーさん、

讃美歌のような、とてもきれいで意味深い曲ですね。
「セントラルパーク・コンサート」や2003年の「オールド・フレンズ・ツアー」で
S&Gで歌われていたのもいいですよね。一昨年の日本公演でも聴きたかったです。

「アメリカ」では、みんな夢を求めてやって来るアメリカを歌っているのに対し、
「アメリカの歌」では、混乱した現実を「国」の立場で歌っているのかもしれません。

さだまさしさんの「前夜(桃花鳥)」、もちろん知っています。
きれいな曲ですし、“I'm all right, I'm all right”という歌詞もそうですが、
変わりゆく世の中について考えさせられるメッセージにも重なるものがありますねv-410

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No.50 「アメリカの歌」 by ポール・サイモン
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らいむ&りーずん(2011.4- )

現在、松月は千葉からゆる~く発信中♪

プロフィール( -2011.3)

松月

Author:松月(しょうげつ)
別名「日立の笛吹き娘」

20代ですが、アメリカン・フォーク・ソングに10年間も熱中しています。

茨城で演奏活動されている読者の方々の影響で、現在はブルーグラスに傾倒?
広場にティンホイッスルを持ちこんで、人と地球にやさしい?音楽を発信中。

ご感想・ご意見の書きこみ歓迎♪もちろん楽器(演奏の話)の持ちこみも歓迎♪各記事の下で、レッツ・セッション♪♪

初めての方は、こちらへどうぞ☆
松月の芳名録

YouTubeに演奏を載せています。
よかったら聴いてみてくださいね♪
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