松月のRhymes&Reasons

アメリカン・フォーク・ソングの言葉と想い そして源流をたずねる旅

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「千の風になって」と英語の詩

J-POPにしても洋楽にしても、わたしは今の流行歌には関心が低いのですが、まれに感動的な歌に出会うことがあります。そういう歌はたいてい、広い世代に感動を与え、スタンダードとして歌い継がれることになります。「千の風になって」もそのひとつでした。

千の風になって千の風になって
(2006/05/24)
秋川雅史

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2006年の暮れ、テノール歌手の秋川雅史(1967- )さんが「紅白歌合戦」で歌っていたのを見て知りました。美しいメロディに心温まる詩、壮大な歌に感銘を受けました。シングルを買い、日本語詞と曲を書いたのは作家の新井満(1946- )さんであることを知りましたが、作詞が「不詳」なんですよね。それに「日本語詞」ってどういうこと?

気になったので調べてみたところ、とても驚きました。この歌にはもともと英語の詩があって、ずっと前から多くの人たちに読み継がれてきたのです

原詩についてはいろいろな説があるようですが、アメリカのメリーランド州でメアリー・フライ(Mary Frye, 1905-2004)という女性によって書かれたのではないかといわれています。1932年、メアリーの友人のマーガレットは母親を亡くして悲しんでいました。当時ヒトラーの反ユダヤ主義のために、ユダヤ人のマーガレットはドイツの母親の元へ帰れなかったのです。メアリーは彼女を慰めるために込み上げる想いを詩に書いたのでした。マーガレットはその詩を大切にすると言い、もう泣くことはなかったそうです。

詳しくはこちらのサイトをご覧になってくださいね。
「千の風になって」の詩の原作者について

その後、マーガレットから家族へ、そして友人へとメアリーの詩は少しずつ形を変えながら伝えられ、大切な人を失った人を慰める詩として読み継がれてきたのだそうです。9.11の追悼式の際にも、父親を亡くした11歳の少女がこの詩を朗読して話題になりました。

この詩は日本にも伝えられていました。新井満さんは、新潟で暮らす幼なじみの奥さんが亡くなったことがきっかけで出会ったそうです。熱心な社会活動家だった彼女の追悼文集の中にこの詩の翻訳が紹介されていたのでした。彼はそれを読んで感動し、残された人たちを慰めようと独自の詩と曲をつけて歌にしたのです。歌は彼女の追悼の会で披露され、集まった人はみんな涙を流したそうです。

この詩を読む時、この歌を歌う時、みなさんもそれぞれの想いを重ねるのではないでしょうか。メアリーはこの詩を「自分の作品」とするのではなく、読む人自身の言葉にして想いを伝えてほしいと願っていたのかもしれませんね

茨城の田園風景

わたしがこの歌を初めて聴いた時、思い浮かんだのは当時熱心に聴き始めたジョン・デンバーのことでした。そして、ジョンの5年後の同じ日に亡くなったわたしの祖父のことも。わたしは今、大きな災いもなく元気に過ごせていますが、それは祖父が今でもそばで見守っていてくれているからだと信じて、日ごとに感謝しているのです

ジョン・デンバーが亡くなってから、今日でちょうど12年になりますが、彼はきっとロッキー山脈の高地を吹きわたりながら、自由の象徴である風の歌を歌っているでしょう

今ではトミー・メイケムさんも自由を歌う風になって暗闇から希望をはこび、
マリー・トラバースさんも風の中で「9つの問いの答え」をささやいているでしょう

信じましょう、寂しくなんかないのだと。
風の中に、歌の中に、彼らのスピリットは生き続けているのだと。

秋川雅史さんの歌を改めて聴いてみましょう。新井満さんのインタビューもあります。

http://www.youtube.com/watch?v=zFSZH5QTa7U


もうひとつ、ヘイリー(Hayley Westenra, 1987- )による英語版をご紹介します。
新井満さんの曲に元の英語の詩がぴったりはまっているなんて、奇跡ですね!
(抑揚やリズムやライムの点で、日本の曲に英語の詩をあてるのは難しいのです。)

ヘイリーの声も澄みきって美しいですし、前奏のティンホイッスルも素敵ですね。
(そういえば、彼女はアイリッシュの血を引いているんでしたよね。)

http://www.youtube.com/watch?v=DIi-L7GO_6U
新井満さんが訳したと思われる英語の詩)

Do not stand at my grave and weep;
I am not there, I do not sleep.

I am a thousand winds that blow.
I am the diamond glints on snow.
I am the sunlight on ripened grain.
I am the gentle autumn's rain.

When you awaken in the morning's hush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet birds in circled flight.
I am the soft stars that shine at night.

Do not stand at my grave and cry;
I am not there, I did not die.

(松月の試訳)

わたしのお墓にたたずんで 涙を流さないで
わたしはそこにはいないのです 眠っていないのです

わたしは空を吹く千の風
わたしは雪のダイアモンドの輝き
わたしは実った穀物にそそぐ日の光
わたしは穏やかな秋の雨

あなたが朝の静けさの中で目覚める時は
わたしは空高く舞い上がり
静かに飛びまわる鳥になります
夜には輝くやさしい星になります

わたしのお墓にたたずんで 泣かないで
わたしはそこにはいないのです 死ななかったのです

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テーマ:心に沁みる曲 - ジャンル:音楽

*** COMMENT ***

Hayley Westenraによる英語版

おはようございます。
Hayley Westenraによる英語版、すばらしいですね。

ティン・ホイッスルの導入部もいいです。
画像、特にひまわり畑が曲にぴったりです。

松月さんおっしゃるように日本語の詩を英訳することは
むずかしいと思いますが、
この詩、きれいに韻をふんで、
耳からもとても自然に聴こえますね。

すばらしい。

「千の風」は海を越えて、故郷へ帰った!?

ミキタカ08さん、

元々あった英語の詩を、新井満さんが日本語に訳し、
曲もその「日本語の詩」にあわせてつけられているはずなのですが、
そこに元の英語の詩がそのままはまってしまっているところがすごいのです。

日本生まれの曲に英語の訳詞をつけることはよくあるのですが、
メロディにあわせるだけでひと苦労、ライムまで考えるのは至難の業でしょう。

「ひまわり畑」いいですよね。「青空に彼岸花」も今の季節にぴったりですねv-34

NoTitle

素晴らしい記事をUPしてくださって、感謝です。
曲を聴きながら記事を読んでいたら、涙が出てきました。
この曲がこのようにして出来上がったことなど、露ほども知りませんでした。
教えて頂いて、本当に良かったです。
名曲が生まれてくる背景には、このような感動的なストーリーが存在するものなのですね。

ありがとうございました。

素晴らしい「らいむ&りーずん」♪

トクベー&キーボーさん、

読んでくださって、ありがとうございます。
わたしもこの歌の背景を知った時は、涙が出てしかたありませんでした。
素晴らしい詩には、素晴らしい理由があるんですよね・・・。
「らいむ&りーずん」という名前で書いていてよかったとつくづく思いますv-22

ジョン・デンバー・トリビュート

マーヤさんより、拍手コメントをいただきました。ありがとうございます!
http://blogvote.fc2.com/pickup/7of3rise/134

ジョンへの追悼記事ということに気づいていただけてうれしかったです。
記事を読んで「感激のあまり言葉が出てこなかった」ようで、
言葉の代わりに素敵なお写真をいただきました。大切にしますねv-344

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No.134 「千の風になって」と英語の詩
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らいむ&りーずん(2011.4- )

現在、松月は千葉からゆる~く発信中♪

プロフィール( -2011.3)

松月

Author:松月(しょうげつ)
別名「日立の笛吹き娘」

20代ですが、アメリカン・フォーク・ソングに10年間も熱中しています。

茨城で演奏活動されている読者の方々の影響で、現在はブルーグラスに傾倒?
広場にティンホイッスルを持ちこんで、人と地球にやさしい?音楽を発信中。

ご感想・ご意見の書きこみ歓迎♪もちろん楽器(演奏の話)の持ちこみも歓迎♪各記事の下で、レッツ・セッション♪♪

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松月の芳名録

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