No.157 さようなら、クランシー・ブラザース
No.156 「思い出のキャロライナ」 by ジェイムス・テイラー
No.155 「いつまでも若く」 by ボブ・ディラン
No.154 「平和の鐘」〜2009年冬〜
No.153 新年のごあいさつと最近の「ヒア・カムズ・ザ・サン」
去年はこんなことを書いてました♪ → 2009年2月
さようなら、クランシー・ブラザース

わたしは去年の4〜5月にクランシー・ブラザース、そして彼らと活動を共にした友人トミー・メイケムの特集を組み、それがきっかけでアイリッシュに目覚めました。
→ トミー・メイケムとアイルランドの緑の風 / アイリッシュとアメリカン・フォーク
なぜこちらで熱心に語ったのかというと、彼らはアメリカン・フォークソングのシーンでアイリッシュ・トラッドを伝えた人たちだからです。1950年代後半、キングストン・トリオやブラザース・フォアが日本で人気を得る前から、彼らはニューヨークのグリニッジ・ビレッジでチャド・ミッチェル・トリオのようなハーモニーを響かせていました。
そして、そんな彼らをあのボブ・ディランがお手本にしていたのです。びっくりですね。特にリアムに対して、ディランはこんなふうにコメントしていました:
ディラン:「リアムほど上手なシンガーは聴いたことがないね。これまでの人生で聴いた中で、彼は最高のバラッド・シンガーだよ。今だってそうさ、たぶんね。リアムより上手なバラッド・シンガーはいないと思うよ。」
もっと詳しく知りたい方はクランシー・ブラザースとトミー・メイケムのドキュメンタリー映像がありましたので、こちらをご覧になってみてくださいね。特にPart 1ではディランのほかにマリー・トラバースやトム・パクストンも登場します。また、Part 4からPart 5にかけてはグリニッジ・ビレッジでの思い出が語られます。この3本だけでも十分興味深いかと思います。(わたしも忙しくてまだじっくりとは見ていませんが
)The Story Of The Clancy Brothers and Tommy Makem
→ Part 1 / Part 2 / Part 3 / Part 4 / Part 5 / Part 6 / Part 7
今日は有名なアイリッシュ・トラッド「ロッキー・ロード・トゥ・ダブリン」(The Rocky Road to Dublin)をクランシー・ブラザースとトミー・メイケムの演奏で聴いてみましょう。9/8拍子で「スリップ・ジグ」(slip jig)と呼ばれる形式の曲です。今わたしが笛で覚えたい曲のひとつです

向かって左から
トミー・メイケム(Tommy Makem, 1932-2007)(ホイッスル&バウロン)
パディ・クランシー(Paddy Clancy, 1922-98)
トム・クランシー(Tom Clancy, 1924-90)
リアム・クランシー(Liam Clancy, 1935-2009)(ギター)
http://www.youtube.com/watch?v=9JW_z9MED7c
リアムが天に召されたことで、この世での兄弟たちの歴史は終わりました。とてもさびしいですが、彼らにとっては喜ばしいことだと思います。なぜなら、20年の時を経て、天国でようやく再会を果たせるのですから。そこでほかのフォーク・シンガーたちと一緒にギネスでも飲みながらセッションしていてほしいなと思います。それに、歌の歴史は終わったわけではありません。彼らの子どもたちが伝統を引き継いでいるのです


☆関連映像☆
ピート・シーガーの“Rainbow Quest”にて。なぜかトムがいませんが^^;
→ I Never Will Play the Wild Rover No More
ボブ・ディランのデビュー30周年のトリビュート・ライブで歌われた
「船が入ってくるとき」(When the Ship Comes In)。
→ When The Ship Comes In (Live Dylan Tribute Concert)
テーマ:懐かしのフォ−クソング - ジャンル:音楽
「思い出のキャロライナ」 by ジェイムス・テイラー

今日はしばらくぶりにジェイムス・テイラーの歌を取り上げてみたいと思います。JTといえばギター・ワークが巧みで、難しいコードや独特なコード進行が多いのですが、この曲はわりとシンプルで聴きやすかったです。「思い出のキャロライナ」(Carolina in My Mind)という、1968年の1stアルバムに収録された作品です。
1stアルバムはあのビートルズが設立したアップル・レコード(Apple Records)から出ており、ポール・マッカートニーやジョージ・ハリスンもバックで参加していたそうです。この歌もアップルでレコーディングをするために、ロンドンに渡っていた時に書かれました。彼は自分が育ったノース・カロライナを恋しく思って、この歌を書いたといいます

このアルバムは十分なプロモートがされず、あまり売れなかったのですが、この歌は彼にとって重要なレパートリーであり、1976年の「グレイテスト・ヒッツ」(Gratest Hits)にリメイク・バージョンが収録されています。わたしはこちらのアルバムを聴いて覚えたのですが、オリジナルのも聴いてみたいのよねー。
さて、今回の映像は司会者の発音がなんとなくイギリスっぽいと思ったのですが、なんと「エディンバラ城」! スコットランドなんですねー。この時もキャロライナを懐かしく思いながら歌っていたのかなぁー。歌詞のメッセージがとにかく心に響きます

http://www.youtube.com/watch?v=B3pTT-orGG4
もうひとつ、アリソン・クラウス(Alison Krauss, 1971- )によるカバー・バージョンもご紹介します。レモンさんやtakabohさん、地元ブルーグラス・バンド「The! Winds」のuchanさんもお好きな方ですよね。わたしもブルーグラスを掘り始めて以来お気に入りのシンガーなんです。フィドルもかっこいいですね!

http://www.youtube.com/watch?v=83w8SkdJtPM
テーマ:お気に入り&好きな音楽 - ジャンル:音楽
「いつまでも若く」 by ボブ・ディラン
今回は「いつまでも若く」(Forever Young)という歌をご紹介します。3月に来日&ライブハウス・ツアーが決まったボブ・ディランの70年代の作品です。1974年のアルバム「プラネット・ウェイヴズ」(Planet Waves)に収録されています。
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この歌はアルバムの真ん中になぜか2バージョン収録されています。ロマンチックなスロー・バージョンの後に、ビートのきいた軽快なバージョンが続き、まったく違う印象でおもしろいです。わたしは先のスロー・バージョンのほうが好きかなぁー。詩のメッセージがより深く心にしみて感じられるからです。みなさんはいかがですか?
この歌のよさは詩のよさだと思います。
これはディランが自分の息子へ向けて書いた祈りの歌なのです。


神さまがいつでも守ってくれますように あなたの願いがすべてかないますように
いつでも他の人を助けてあげられ 他の人に助けてもらえますように
星に向かってはしごを架け 一段ずつ昇って行けますように
あなたがいつまでも若くいられますように
あなたが正しい人に育ちますように 誠実な人に育ちますように
いつでも真実を知り 周りの光が見られますように
いつでも勇気を持ち まっすぐに立ち 強くありますように
あなたがいつまでも若くいられますように
いつでもあなたの手がよく動き あなたの足が俊敏でありますように
風向きが変わった時でも 強い礎を持っていられますように
いつでもあなたの心が喜びにあふれ あなたの歌が歌われますように
あなたがいつまでも若くいられますように
歌の中で繰り返される“May you 〜”は「あなたが〜しますように」という意味です。文語的な表現で、親が子にあてた手紙のような印象を受けますね(ただ、堅苦しく感じられる表現なので、わたしは会話でも文章でも“I hope you will 〜”を使っています)。
May your dreams come true! = I hope your dreams will come true.
(あなたの夢がかないますように。)
ボブ・ディランの90年代のライブ映像です。彼にもいつまでも若くいてほしいですね☆
http://www.youtube.com/watch?v=4NanoTz-46Q
先ほど「わたしはディランのスロー・バージョンが好き!」と言いましたが、もっと好きなのがジョーン・バエズのカバーです。わたしは彼女の歌でこの歌を覚え、ディランの作品であることを知って「うわー、ディランってこんなにストレートなラブ・ソングも書くんだなぁー!」と感動しました。彼女のはとても聴きやすく、母のあふれる愛が伝わってくるようで今でも大好きです。ここではライブ映像をお楽しみくださいね!

http://www.youtube.com/watch?v=favgoOn-U1I
テーマ:'70年から'80年の洋楽 - ジャンル:音楽
「平和の鐘」〜2009年冬〜
さらに、5日遅れてこの解説記事をようやくupしました。
お待たせして本当にすみません・・・えっ、だれも待ってないって!?
この鐘は、みなさんに鳴らしていただくことで、地域を越えた心のつながりを感じていただけたらと思い、松月が一から手作りしています。このプログラムを通じて世界中の人々の心がひとつになることを願っています


☆使い方☆
1. サイドメニューのリストからお好きなメロディを選択してください。
2. “Play”を押すと再生します。各メロディとも約1分間演奏され、停止します。
3. “Stop”を押すか、ブログのページを切り替えると途中停止できます。
なお、メロディの途中から再生することはできません。
4. 秋季に引き続き、1日5回、8時、10時、12時、15時、18時に、
「アーマーの詩人」(あるいは「ラレードの通り」)の自動演奏を行います。
注:このプログラムはInternet Explorer&JavaScript使用時のみ機能します^^;
→ IE以外をお使いの方は、こちらからどうぞ☆
☆メロディ紹介☆
この「平和の鐘」では、いつもトラディショナルなメロディを取り上げていますが、
今季は「アメリカでフォークソングとして歌い継がれている曲」を3つご紹介します。
1月5日〜3月10日の期間限定公開となります。
1. 「アメイジング・グレイス」(Amazing Grace) → No.92をご覧ください♪
2. 「シェナンドー」(Shenandoah)
「シェナンドー」はアパラチア山脈の南にあるバージニア州を流れる川(ジョン・デンバーの「故郷へ帰りたい」にも歌われていますよね)です。19世紀にこのあたりに金脈が発見されたことにより、先住民族(インディアン)たちは白人たちによって村を追い出され、西部への長くつらい旅を強いられたそうです。この歌にはミズーリ川の向こうへ旅立つ先住民族の悲しみと、遠く離れた故郷の川を懐かしむ気持ちが歌われていたのですね。
ここではアーロ・ガスリーの歌を聴いてみましょう♪
http://www.youtube.com/watch?v=_zWgfzGq5g0
3. 「ダニー・ボーイ」(Danny Boy)
あるいは「ロンドンデリーの歌」(Londonderry Air)
「エア」(air)とは抒情的な詩をつけて歌われるゆったりした曲のことで、「最も美しいアイリッシュ・エア」と呼ばれるこの歌には100以上の詩がつけられているそうです。
最も有名な詩が「ダニー・ボーイ」で、アイリッシュのテノール、ジョン・マッコーマック(John McCormack, 1884–1945)に歌われた後、アメリカでもヒットしました。
戦争へ行ってしまった息子の帰りをずっと待ち続ける母親の永遠の愛が歌われています。
ちなみに、アイリッシュはこの歌が「ロンドンデリーの歌」と呼ばれるのを快く思わないそうです。「ロンドンデリー」という呼び名は、No.96やNo.118でお話ししたイングランドによる植民地支配の名残だからです。北アイルランドにあるこの町は、アイリッシュにとっては「デリー」であり、ロンドンのものではないのです。
ここでは有名なバージョンのひとつ、ハリー・ベラフォンテの歌をお聴きくださいね!
http://www.youtube.com/watch?v=rgo8NDSI-HQ
新年のごあいさつと最近の「ヒア・カムズ・ザ・サン」
みなさんにとって、よりよい年になりますように!

日立市・会瀬海岸の日の出です。今年も素敵な出会いがありますように・・・

海からの日の出は「新しい出発」を表すそうですが、生まれたばかりの朝日は真っ赤で暖かくて、夢がわき、力がみなぎってくるようですね・・・。
まずはこの歌を選びました。「ヒア・カムズ・ザ・サン」(Here Comes the Sun)。
大好きなビートルズ・ナンバーですが、わたしはビートルズは語りませんので、
ここでは最近のライブのお話をしたいと思います。
昨年10月29〜30日に「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame)の創設25周年記念コンサートがニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデンで行われたのですが、そこでポール・サイモン、デービッド・クロスビー、グレアム・ナッシュが、古い友人であるジョージ・ハリスンへのトリビュートとしてこの歌を歌いました。
わたしにとってはまったく違和感がないのですが、オールド・ファンのみなさんは
「あーあー、3人ともすっかり白髪になっちゃって・・・」
なんておっしゃるかもしれませんね。
でも、それぞれS&GとCSN&Yのバンドの核であるポールのギターとクロスビー&ナッシュのハーモニーは、今も変わらず素晴らしいと思います!
彼らの想いは、天国のジョージにもきっと伝わったでしょうね

http://www.youtube.com/watch?v=muFOeZSIC2U
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祈りをこめて、世界中に


